その2


同友クラブの皆様、またお目にかかりました。

二代目老麺亭そば吉でございます。
前回は皆様から大変御好評をいただきまして、ありがとう存じます。
先代からもお誉めの言葉をいただきまして、うれしい限りでございます。
同友クラブの会員の皆様のご了解をいただけましたら、これからも時々この紙面をお借りしてごあいさつさせていただければ幸いに存じます。

昨今、昨年末あたりからめっきり寒くなってきましたな。
こんな寒い冬の夜は、熱燗でもぐっとあおって、その後、熱い夜なきそばを一杯すする、こんな風情も冬ならでは乙のものでございます。
しかし、最近ではそば粉があまり入っていないそばが出廻っているそうですが、あれはいけませんな。
昔から熱い夜なきそばは二八そばと申しまして、二八そばなどというものはそば粉が八割でつなぎが二割と相場が決まっていたわけでございますが、昨今はそば粉が二割でつなぎが八割になってしまったようで・・・どうもいけません。(もっとも、二八そばのお代が十六文と決まっていて、二×八で一六なので、二八そばという説もありますが)‐落語の時そばより‐

どうせお代を払って食べるならこだわりを持ったご主人が作ってくれるおいしいそばを食べたいものですな、そこで今回は二八そばならぬそば粉だけのおいしい“十割そば”が食べられる「手打蕎麦 文(ぶん)」さんを紹介します。

文は下館市は玉戸の西原の静かな住宅地の一角にある、看板も小さなものだけがたっているだけであたしも道に迷ってしまった、たどりつけただけでほっとしてしまうのである。
店も民家を少し改築しているだけなので“地酒とこだわりの十割そばの店”という暖簾がなければそば屋には全く見えない(近頃は民家をそのままそば屋にしているところが多いですな)大きな自家製の石臼を見ながら店に入る、部屋は木目調で統一されているので、ゆったりとした気分になれる、店にはなぜかスタンダードジャズが流れていて、ジャズを耳にしながらそば茶をすすって、そばができるのを待つのである。ここのそばは最近ブランドになってきた常陸秋そばだけを使ってつなぎを全く使わずに水だけでこねた太めの十割そばと、そば粉を九割につなぎを一割混ぜて打ったせいろそばの二種類がある、またその両方を一度に食べることができる合盛そばもある。まずご主人自慢の十割そばを食べてみる、割りをつけずにそのまま口にしてみる、そば粉だけで打っているのでさすがに歯ごたえが違いますな。
そのうえ常陸秋そばの香りが口の中でいっぱいにひろがってくる、これは実にうまい。
割りや薬味などなくても食べることができるそばである。
せいろそばは少し細めで、十割そばよりは白く上品な感じのそばである、つなぎの小麦粉を一割使っただけでも味と食感は違ってしまうものですな。
せいろそばはちょっと濃いめの割りにさっとつけて食べる。又、鴨汁やちたけ汁も付合せであるのでそれらにからめて食べるのもおすすめである。

 又、文では、なかなかよそでは飲むことのできないお酒が揃えてある。
福井県の黒龍(あたしはこれが大好きでして・・・)新潟の八海山、一人一杯限定の山形の千代田本丸などなど、どれもそばを食べる前に一杯飲むのには最高である。
ここはまだ昨年の十月に開店したばかりであるが、ご主人の味へのこだわりと、そばの味は確かである。 
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・・「二代目老麺亭そば吉」

手打蕎麦 文 
電話0296-28-7523
定休日 毎週 火曜・水曜

住所 〒308-0847 茨城県下館市玉戸1020-289
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